恋愛と哲学と青春の初体験
自己紹介の代わりに、私の初恋からお話ししたいと思います。
高校時代、文化部の部長をしていた私は、一年下の後輩の対処に困り果てていたことがありました。
家に帰って来ないとお母さんが通学の最寄りの駅で、私を待ってくれていたり、
私も彼女の自宅の見える公園でずっと見張っていたりもしました。
私が大学一年生の時彼女から私に、手紙が送られてきました。
内容は、ご迷惑をおかけました、申し訳ありません。だった。
夏休みにこの手紙を受けっとった私は、一度会いましょうと返事を出した。
先ほど話した通学の最寄り駅で待ち合わせ、私の実家の駅まで二人で乗って、
実家まで、歩き、二階の私の部屋で、色んな事を話しました。
話しの内容は忘れてしまいましたが、途中で彼女が
「どうして、私の眼を見て話しをしてくれないのか?」
と言い始めました。
まだ、大学一年生の私には、自分の部屋で、女性と二人で、目を見つめあって話しができるほどの
経験がなかったのですが、あまりにも何度も私に詰め寄ってくる彼女に
耐えられなくなって、
本当に不意に、彼女の顔に近づき、その唇に私の唇を重ねてしまいました。
ほんの軽く、チュッとだけでしたが、
二人に、電撃が走りました。
8月21日夏の甲子園決勝の日でした。今でも忘れません。
そこから、正真正銘の初恋が始まったのです。
「ほらね、こうしたら、私がなんで、貴女の眼を見れないのか、あなたもわかるでしょう」と瞬間的に私はつぶやいていた。
その後彼女はずっと、私を見れずにうつむいたままだった。
駅まで彼女を送り、自室に戻って、TVをつけると、次々と流れてくるCMに満面の笑顔で頷いて、納得している自分を発見した。
私の眼に薔薇色のフィルターがかかって、世界が幸福に満ちている事に気が付いた。
こんな幸福感は初めてだった。
一話目 最後までお読みいただきありがとうございました。